田中商店物語

オープンまもなくに東日本大震災に

2010年12月に、平岸から現在の石山に移転オープン。

当初は、たくさんのお客様に来ていただき、夫婦共に「これだったら、繁盛店になれるのでは…」と、慢心な気持ちになっていました。

 

オープン3ヶ月後に東日本大震災が起きる。

その後、世の中が「贅沢はやめよう…外食は控えよう…」の流れになり、たくさんのお店が閉めていく。

 

田中商店も、少しずつお客様が減っていき…

気づけば、ガラーンとした店の中で、夫婦でアルバイト誌を見て、ため息をつく日々…色々な支払いも滞り、店を「閉める!閉めない…」で、夫婦喧嘩が絶えない毎日でした。 

18歳から職人を続けていた夫と、食の世界は全く未経験の妻。未経験だからこそ、お客様目線で色々提案してみても、全て却下😔

 

元々頑固な性格もあり、妻の言うことには全く耳をかさない夫…。 

ずーっと忙しい中で、冷静になって考える時間をいただき、喧嘩しながらも、自分たちの足りなかった事を見返る時間をもらえました。

 夫婦で「気づけば、今まで自分達の為にお店をやってきてしまっていた。」ことを反省。 

店はどうなるからはわからないけど…

原点に帰り、もう一度「田中商店のらーめんで、お客様に笑顔になってもらいたい」と夫婦で話し合い、夫は妻の声を聞く努力を、妻はお客様が喜ぶ事を、努力しました。

 

少しずつ、少しずつ、お客様が店に戻ってきてくれるようになり… 

夫婦、スタッフが笑顔で働けるお店に(^^) 

 

お客さんとの会話も増え、気づけば満席になる日が増えていきました。


くも膜下出血で2度目の閉店の危機に…

2016年1月、店主がくも膜下出血で倒れて、6時間の緊急開頭手術…

命は助かりましたが、お医者さんから妻に「必ず後遺症が残るから、店は諦めなさい!」と、断言される。2度目の危機…

 

「いつになったら店に戻れるかな…」と呟く夫に真実を言えず… 後片付けに行った店で、1人号泣しました。

 

でも、「こんな形で店を終わらせるわけにはいかない!」思いがこみ上げてきて「絶対に諦めない!何年かかっても、またここで2人でらーめんを作る!」決意。

 

夫に真実を話して、2人で乗り越える決意‼️

 

その後、お医者さんが驚くほどの回復を続け、、

3週間後に「もう病院ではやれる事がなくなりました。こんな患者さんは見た事がない。これからリハビリをしながら、できることなら、頑張って店を再開してほしい!」と言っていただきました。

 

「ずーっと待っていたよ!」の言葉が今も原点に

3ヶ月間のリハビリを経て店を再開! 

当時は、お知らせする手段が、店の張り紙だけでしたが…

 

再開初日に、たくさんのお客さんが来て下さり、「ずーっと待ってたよ!」と、温かく迎えて下さいました。

 

その日が、今でも私たち夫婦の原点です。  

その日から、何があっても「食べてくださるお客様に少しでも笑顔になっていただけますように!」

 

それだけの思いで、毎日らーめんを作らせていただいています。

そして、移転してから今年で10周年を迎えました。 

コロナ感染騒動で不安も心配もありますが、お客様からたくさんの励ましの声をいただいています。

 

夫婦で「絶対に諦めない!」を誓って、お店を守っていきます。 

 

10周年を迎えたこの年に、ホームページを作らせていただける事に感謝です。

自家製麺について

スープ、タレ、麺、チャーシュー、全てを手作りしています。特に、麺に関しては5年前に製麺機を購入して、自分で麺を作っています。


食の安全・安心にこだわり、道産小麦を使用し、極力添加物を控えて「お客様に安心して喜んで食べてもらえますように!」の思いで製麺しています。
製麺を通して、麺の奥深さを知り、改めてらーめん作りのやりがいを感じています